【都知事選】小池百合子氏が都知事になって、鳥越俊太郎氏が及ばなかった理由

 

 

 

 

 

 

東京都知事選は31日 投開票が行われ、無所属で新人の小池百合子氏(元 環境相)が同・増田寛也氏(元 総務相/自公こ 推薦)、同・鳥越俊太郎氏(ジャーナリスト/野党4党推薦)らを破り、初当選を決めた。

 

 

メディアの事前予測調査どおりだったとはいえ、各自治体の過半に近い40パーセント程度を幅広く集めており、投票率のアップと相成って無所属層が『大票田』となった形だ。

 

 

小池百合子氏は都知事選の立候補を表明する記者会見で「夕方のニュース番組」を 幾度も占拠している。
自ら所属する自民党・東京都連への推薦依頼、または推薦依頼の取り消しを赴く光景においても、その場を報道陣に撮らせたのだった。

 

都民の宣伝材料となる。

 

 

この、洪水のような「報道量」は、立候補が遅れた増田寛也鳥越俊太郎 両氏の数倍にも及ぶだろう。

 

 

しかし、小池百合子氏を新都知事に迎えたところで、都民の総意は「舛添要一の二の舞は勘弁です」につきる。


「知名度」は テレビ東京の元ニュース・キャスターだし「クールビズ」等の生産者だから 有り余るのは致し方ないかと思われるが、「総理大臣は ちょっとダメそうだから都知事でよい」国会議員としての背景は前任者の「舛添要一」と何ら、かわらない。

 


小池百合子氏は テレビ東京の選挙特番で公約だった「冒頭解散」に言及しなかった。

 

 

舛添要一」の轍は都議会・自民党や都幹部職員と「利害」をともにしていたことだったが、小池百合子氏が その「利害」を 壊すというなら やはり待ちうけるのは地域政党の結成だろう。

いやおうなく地方自治は二元代表だ。
都議会での基盤がない小池百合子氏は他の「名物知事」が やってきたとおり子飼いが要るはずだ。

 

現在のところ、小池百合子氏を支持する都議会・会派は 旧みんなの党系だけ だから、「改革」に共鳴してくれる自民党・都議や民進党・都議を まとめあげ、行改の「小池新党」をつくらなければいけない。

 

 

さて、野党共同候補鳥越俊太郎氏が前回における宇都宮健児氏の得票を やや上回るくらいしか えられなかった理由は何か。

 

 〈皆さまどうも、こんばんは。初めての選挙戦、生まれて初めての選挙戦でしたので、終わって正直なところはちょっとほっとしているところではありますが、しかしながら、多くの皆さんにご支援をいただき、街頭演説の会場、集会場でも多くの人たちが会場にあふれるぐらいに集まっていただき、本当に私は心から感謝をしております/NHKで(小池氏が当選確実という)速報が流れたようですので、これはまあ間違いなく、敗戦の弁を述べなきゃいけないということになると思いますが、まあ、準備不足というのももちろんありましたし、選挙戦中には私のまったく事実無根のことを報道されて、いわば選挙妨害に近い形でそういう影響もあったと思いますけれども、基本的にはやはり私の力不足。/力が及ばなかったということが、おそらくこの結果につながっていると思いますので、期待を寄せていただいた多くの都民の皆さん、そして一緒に戦っていただいたスタッフの皆さん、ボランティアの皆さんには、心から私は申し訳ないという気持ちを率直に述べさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました 〉(31日「産経ニュース」)

 

 

 

以下に抜粋する。

 


鳥越俊太郎氏の街頭活動が圧倒的に少なかった。集会ではなく、都内各地で練り歩く べきだった

 


・政党幹部と同じ画面にでるのではなく、徹底して「非・政治家」を演出すべきだった。

 

民進党は76歳の高齢者ではなく、40〜50代の若手候補を擁立すべきだった。鳥越俊太郎氏 発表後も集会に来る支持者を若い世代中心で動員すべきだった。

 

小池百合子氏よりせんじて「都知事 給与半額」をアピールすべきだった。

 


・ほか候補との差別化政策が高齢者、保育士などの待遇問題に限定されており、現役世代や若い世代などの幅広い支持はえにくかった。

 


・女性スキャンダルを報じた『週刊文春』『週刊新潮』に対しては、「ゲスの極みですよ、これ。ねえ。この選挙は公選法違反の週刊誌との戦いに なりました!」と同誌の編集長を批判し、争点化を図るべきだった。

 


小池百合子氏ではなく、自公推薦の増田寛也氏を論戦相手に指定すべきだった。

 


・テレビやインターネット等における討論番組には可能なかぎり出席し、『政治とカネ』などで増田寛也小池百合子両氏のネガティヴ・キャンペーンを展開、特に増田寛也氏の岩手県政時代を問うべきだった。

 

 

 


鳥越俊太郎氏は『週刊文春』の卑劣な記事にしてやられた感があるが、高齢の支持者を動員した集会の訴求力が足りなかったのも事実だ。