【都知事選】鳥越俊太郎氏と細川護煕氏は なぜ落選したのか

 

 

 

 

 

 

 

野党4党が推すジャーナリスト・鳥越俊太郎氏が約130万票しか獲得できなかった。文字どおりの惨敗である。いわゆる「蓮舫・100万票」が対立候補の現都知事・小池百合子氏に流れてしまったので致し方ない面もある。流れたのは現役世代の票とされるから、この選挙は、週刊誌が決したと評してよいだろう。

 

 

そういえば鳥越氏の擁立における発注者だった民進党は元首相・細川護煕氏が出馬した都知事選でもやはり出しゃばった。もちろん、正式に推薦状を与えたわけではないが、日本新党出身者らが細川氏の選対に組み入り、回数を厳選し街頭で『原発ゼロ』を訴えるよう指示した。

 

 

 

70代半の細川氏は同年代から根強い「知名度」だ。しかしながら、20年前に首相を辞めており、波乱の90年代のうちに政治の舞台も退いていた高齢の細川氏が送っていたのは さもあろん隠居生活であった。このようなプロフィールは現役世代にとっては関わりずらい。若い世代にとっては そもそも名前を聴いたことのある程度の存在だったはずである。

 


鳥越氏を発注した民進党はジャーナリストとしての「知名度」で地滑り的な闘いを考えていたらしい。ただし、彼が出演していた情報番組は朝の帯番組だ。しかも、10年前に その番組はリニューアルされ、現在放送中の『羽鳥慎一 モーニングバード』に通じている。その時間帯の「お茶の間」は 40代以降の高齢女性視聴者が他を圧倒しており、この世代・年代に限っては鳥越氏の 「知名度」はあったろう。「知名度」は「知名度」でも若い世代には 乏しく、メディアに基づく情勢調査で20代・30代の支持率が「泡沫候補並み」であったのは、「知ってるこの人、嫌い!」ではなく、「誰、この人?」が本当のところだったのだろう。

 

 

同じ轍である。