【参院選】合区・解消で憲法改正を目論む自民党は ありえないほど さもしい

 

 

 

 

 

 

 

 

鳥取県徳島県で「合区・解消」の声が ひっきりなしに聞こえてくる。それも、有権者以上に その土地の大物政治家が拡声器よろしくわめき騒ぐ現象だ。
香川県の野党候補一本化における衆院議員・玉木雄一郎氏(民進)の ブログも 非難轟々だったというが、「おまえら県議か!」が正直なところだろう。

 〈自民党は、参院選のキャッチフレーズを「この道を。力強く、前へ。」とすることを決めた。7日に開いた全国幹事長会議で、この言葉を入れた公約紹介チラシを配布。安倍晋三首相は、アベノミクスの推進を前面に掲げる方針を改めて示した。〉(6月7日「朝日新聞デジタル」)

 

「景気回復、この道しかない」を掲げ総選挙を闘ったわけであるから、消費税率を10パーセントに増税する経済情勢にもっていくことのできなかった安倍首相は おのずと「結果責任」がつく。東西問わず「政治は結果がすべて」である。


2000年代に二大政党制が日本に導入されてからというものの、マスメディアは揃いも揃って国政選挙のたび、各党の公約とやらを比較しだした。そうはいっても、議会政治発祥の地・英国の政党が書いた公約=マニフェストが一般書店で売られているのは、それを書くにあたっての分量と、身銭を切っても購入したいと思う有権者 双方のニーズがあるわけだ。つまり、日本の薄っぺらい公約は「読むに値しない」と呼べる。

 


例えば、自民党は「道州制特別区域における広域行政推進に関する法律」に賛成した党だ。長期的には47都道府県を廃止・統合し、全国数ブロックの行政機構に再編するという方向性は、党として決定事項にある。


では、自民党参院選の公約において発表した、「都道府県から少なくとも1人選出」とする憲法改正案は どうか。〈自民党参院選公約で、安倍晋三首相が意欲を示す憲法改正参院選挙制度改革と関連付けて記述した。今回の参院選で導入された選挙区の「合区」(鳥取・島根、徳島・高知)に党内で不満が強いことを踏まえ、「都道府県から少なくとも1人選出」を憲法に規定する。ただ、衆院との対比で参院をどう位置付けるかという根源論と密接に絡むだけに、改憲の優先事項になる可能性は低い。〉(6月3日「毎日ニュース」)
彼らは主語を「都道府県から」と国の最高法体系である憲法に書き込むらしい。むろん、参院議員を選出するための法的な必須要件が「都道府県」となる。この条項で、憲法解釈を一手に引き受ける内閣法制局長官も、これからは「道州制違憲です」と答弁せざるを得えないはずだ。


安倍首相の「この道」に「道州制は入ってない」と はっきり述べる。論理破綻のチグハグを解消させ、はじめて、自民党の公約が「読むに値する」というものだ。