【公選法改正】与野党が合意した新しすぎる『どこでも投票所』、その背景は?











無党派は寝ていてくれればいい」と言い放った元首相・森喜朗氏だが、引退後も、自民党において低投票率は願ったり叶ったりらしい。2012年総選挙の投票率は59.3パーセントだったし、2014年総選挙の投票率は52.66パーセントだった。こうした低投票率の下だと自前の後援会ネットワークが「大票田」となるからだ。


もちろん「大票田」は そうではあるのだが、Yahoo社 世論調査によれば「投票率が上がるほど自民党の比例獲得議席が伸びる」という数値もでている。また、SPEED今井絵里子氏を元参院選副議長・山東昭子氏が グループ名も驚く速さで出馬に導いたのは「無党派対策」にあり、その第一弾は主婦層にスリよった昨年10月の「新・三本の矢」にあったとみてよい。


自民党は「投票率をあげる」選挙を やる。選挙区内のどこでも投票を可能とする公職選挙法改正を仕掛けた。(=共通投票所)

90年代以降の国政選挙「低投票率」傾向だが、それは「 働き方の多様化」にあると思われる。総務省統計局によるとサービス業の従事者は2600万人にのぼり、コンビニエンスストアの24時間営業が日本全国にひろがった。昔は「そこいらじゅう」だった商店街の土日休業も 今日にいたっては チラホラだ。こうした「働き方の多様化」は若年層たる20代〜30代がメインの世代となる。2014年総選挙における20代有権者投票率は32.58パーセントだった。

どこでも投票OK!となればシティボーイに朗報。彼らが さっそく目を付けるのは駅前のショッピングセンターや勤務先近くの役所といった共通投票所だろう。つまり、もっとも「果実」の恩恵をうける世代が20代〜30代である。出勤前に小学校、役場、公民館まで寄り道しなければいけなかった「参政権の行使」が公職選挙法改正で「ついで」感覚だ。18歳未満の子どもも、改正後は連れ添って投票所へ行ける。



投票率をあげる」為には 何だってする。自民党選挙対策本部が「低投票率」と「野党乱立」マージン説に立った やり方から、「無党派対策」と「対決型与党」の新しい やり方へ舵を切ったわけだ。くれぐれも 野党は この流れを見誤るな。