「サイレント・マジョリティー」、覚醒へ









自称 立法府の下、平和安全法制が成立してしまった。深夜2時、不夜城と化した民主主義の象徴たる 議事堂に おいて、野党のセンセイ方が吠えていた。

その外側では 、数千の、デモに参加する人々が、「違憲」の灯火を 照らしつづけた。人工衛星から このニュースを 観察すれば、「光の丸」だったろう。
普段、千代田区は昼間人口が多い。夜間人口は 1/10だ。霞ヶ関等の官庁街やオフィスビルへ 足繁く通う通勤者が、定時が訪れる途端、各々 憩いの場へ散らばっていくからである。これを一般に「ドーナツ化現象」と 呼ぶ。ところが、成立日 ぽっかり空いた その穴を覆ったのはピカピカの人口密度だった。





来夏の参院選から18歳の若い世代が投票権を もつ。年寄り ばかり せっせと票を書く行為が、シルバー・デモクラシーと も揶揄される昨今。たしかに棄権してしまっては そもそもデモクラシーが成立しないから、参加する証としての「デモクラシー」の揶揄なのだ。
しかし、残念だが、自民党は「サイレント・マジョリティー」を棄権化する 広報戦術を とっている。自民党は、平和安全法制を葬るべく動いた20歳前後の若い世代を、「やっぱり、俺たち、政治とは性に合わなかった」と落胆させ、70年安保闘争後の いわゆるノンポリ世代に 再教育したい。何色だってよいが、俄然、シルバーの純度はとどまることを 知らない。





世論を なめきっている。自民党のことだ。その証拠が、報道機関威圧事件で1年間の役職停止を うけた前 青年局長の処分を軽減した というニュース。「重すぎる」らしい。閣僚辞任ドミノから 始まり、原発再稼働や平和安全法制へ いたるまで、渦中にある時期は内閣支持率が下がるが、その後、別の政策キャンペーンを発表するにつけ、支持率が回復してしまう傾向が みて とれる。「新 3本の矢」が女性有権者向けのキャンペーンであることは 周知の とおりだが、各社世論調査に おいて 恥ずかしくも10月支持率が上昇してしまった。




 つまり、自民党のアドバンテージはアサド大統領の それ、である。表現の自由において、国民の大多数であるスンニ派「サイレント・マジョリティー」へ決して譲歩しない。その代わり、最低限の生活は 施してやる。しかし、アサド大統領へ楯突く反対派が いれば容赦なく戦車の弾を ぶっ放す。




20世紀の一党体制は 「融和」を しないことが権力の保持につながる ことを 表す教科書でもあった。21世紀のニュースも、例えば、「アラブの春」が 参考書だ。既成者がデモ隊と協議してもよいと示唆した とたん、今まで 圧政に黙っていた数万の「サイレント・マジョリティー」、つまるところ 民衆が なだれ込み、カイロの権力が瓦解した。




話を戻そう。自民党の広報戦術が 日本各所へ仕掛けるのは 、「指導される民主主義 ドクトリン」である。この断末魔の状況に置いた責任は、菅直人に あり、野田佳彦氏に ある。二大政党制は 、お互い、政党同士がブラッシュアップする為の、イギリス発祥の議会政治だった。これを、片方の「権力を 失うことを極端に嫌う」スカルノ主義政党と、もう片方の、「一歩近づいたけど、自民党には なれなかった」労組と政治屋の党による、哀れな政治へ導いたのだ。
岡田克也氏は 在籍中の元総理2名を除名しな ければ いけない。