津久井やまゆり園事件は内部犯行

 

 

 

 

 

 


相模原市の障害者福祉施設津久井やまゆり園」で入所者19人が亡くなった事件は、「県営」が現場であり、行政組織を管轄する責任の安倍晋三内閣にダメージを与えうる政治的案件となるはずだった。大臣の塩崎恭久氏は責任をとり、辞任すべきだった。

 

この事件は、この施設で正社員として働いていた「元職員」の男が犯人である。つまり、極めて「内部犯行」の側面が強い。「障害者の駆除」という犯人の思想に賛同たらん厚生労働省は、犯人が「大麻精神障害」の症状をつけられたあげく、数日間隔離されていたプロフィールに着目した。

 

有識者9人による厚労省の検証・再発防止策検討チーム(座長=山本輝之成城大教授)がまとめた。検証結果を踏まえ、再発防止策の検討に入る。植松容疑者は職場の障害者施設で「障害者は安楽死させたほうがよい」などと発言し、2月19日に緊急で相模原市北里大学東病院に措置入院。退院後の7月26日に事件が起きており、病院や相模原市の対応を検証していた/検証によると、措置入院をした植松容疑者は「大麻使用による精神および行動の障害」と診断されたが、病院側に薬物による精神障害の専門性が不足していることを指摘。大麻使用による精神障害のみで「『障害者を刺し殺さなければならない』という発言が生じることは考えにくい」として、入院中に生活歴の調査や心理検査を行っていれば診断や治療方針が異なった可能性にも触れて、病院側の対応に疑問を示した〉(9月15日「朝日新聞デジタル」)

 

一部の週刊誌・ネットメディアをのぞき報道しないのが、よくわからない。精神医療をめぐる、厚生労働省が公表済みのデータすら、フジテレビ『みんなのニュース』に出演した専門家は口にすることはなかった。また、国際的な認識に基づけば、「大麻」が無差別ヘイトにつながった例は ほとんど、聞いたことがない。厚生労働省は「大麻精神障害」で安倍晋三内閣の行政責任を回避したい一辺倒だと思われる。


「内部犯行」の証拠は、知的障害者施設において、若い男の職員に暴行され、相次いで入所者が亡くなった事例が示す。監視カメラの映像は「障害者は人間じゃない」そのものだ。もちろん、メディアは3行記事で片付けるが、狂った犯人の狂った事件ではなく、“実証的に”障害者ヘイトを培った人物による構造的事件なのである。 だからといって「思想」で隔離した相模原市も犯罪的だ。事件は、三者三様の共犯と呼んでよい。