鳥越俊太郎氏が落選した理由

 

 

 

 

 

 

東京都知事選に立候補(落選)した鳥越俊太郎氏がインターネット・メディアの独占インタビューに応えた。

 

鳥越氏が76歳という高齢だった為、一部の週刊誌は『政策ボケボケ』など これを揶揄する報道スタンスをとった。

このような年齢・性別による差別的なカテゴライズは 日本が後進国だからこそ認められるのだろう。

 


大都市では『ダイバーシティ』(多様性)が標準になりつつある。


街頭演説の映像を確認するかぎり鳥越氏は認知症ではないとみられる。にもかかわらず、まるで『76歳』の数字によって「都知事不適任の男」に終始してしまうのは、やはり愚かすぎる。

 


2014年の前回 都知事選では高齢の元首相・細川護煕氏が立候補をおこなったが、ここまでのレッテル貼りが横行したかといえば、答えはNOである。

 

 

ただし、鳥越氏は「政治家不向き」だったと思う。


独占インタビューによれば選挙期間中に民進党の関係者から都政に関するレクチャーをうけていたらしいが、次のくだり が「業界人」そのものだったからである。

 


〈何も知らないまま行くわけじゃないよ。僕はテレビ番組のアンカーをやっていた時も、何日か取材して、全部自分の頭の中に入れて、それを自分の言葉で番組の中でしゃべるわけだから。新聞記者の時だってそうなんです。だから、僕はジャーナリストという言葉はあまり好きじゃないから使いませんけど、報道の現場の仕事をしていれば、何カ月もかけて物事に精通するとかではなく、本当に急ごしらえでガーッと詰め込まなければいけない仕事をしてきているわけ。50年間。だから、それについてはそんなには心配なかったよ。もちろん、すぐには分からないけれど〉

 

 

「業界人」について整理しておこう。

仕事先のテレビ局において その出演者は「お客様」であると同時に「操り人形」でも あると呼んでいい。

 


「お茶の間」は「近さ」を覚えると思うが、現場のスタッフからは「お客様」のように扱われ、そして、概してプロデューサーの意図通りにコメントする「操り人形」だ。

 


選挙実務において「スタッフ・お抱え」だったというインタビュー内容、それは結局 鳥越氏が「業界人」だったことを示している。