【再掲】清原和博、フジテレビ『あの事件』に迫る

 

 

 

 

 

 

 

 

 


「つける薬がない」

プロ野球選手の 清原和博が2月2日、覚醒剤取締法違反の疑いで現行犯逮捕された。
清原が住む港区 東麻布のマンションからは、0.1mの覚醒剤ほか、吸引器等も 見つかっている。
昨年1月、TBS系『中居正広の金曜日のスマたちへ』に出演を果たし、「薬物報道バッシング」を涙ながらに語った『番長』。あの『番長』は、看板に偽り が あった。

 

自他共に認める「ダチ」の ひとりが、芸能界の『女番長』こと、和田アキ子だろう。和田の語る人物評は 次のとおりである。
「キヨ(=清原和博)ああみえてね、気の小さい、心の優しい男。
そう みえないかも しれませんけどね、ホンマに周りに気を遣う男なんですよ」


監督・堀内恒夫 (現 参院議員)とソリが合わず、読売ジャイアンツ球団を 辞めた現役時代。事実上の古巣追放だったとみられている。
「心が 優しい」その素顔は、社会に順応できず立ち回れないままのガキ大将、ともいえる。

 


3年前、和田アキ子 芸能生活40周年バースデーを祝うべく、テレビ局より『ドッキリ』の仕掛人を任せられたのがガキ大将、清原その人だった。
現場となったのは、お台場・ビーナスフォート噴水広場である。時刻は夜を迎え、ロケで戸越銀座商店街を練り歩いた和田も少々、疲れ気味だった。

清原は花束贈呈の式典時、和田が近付いたら「糸を抜く」ようスタッフから説明をうけていたらしい。「抜く」と花束の隙間から巨大クラッカーが噴きだす。それが「40周年記念の祝盃」だった。

 

果たして、撮影がスタートし、演出どおり礼服に身を包んだ正装の清原が特別ゲストとして登場する。
驚きを隠せない和田だったが、「40周年おめでとうございます」と述べた清原の花束めがけ接近。満面の笑みである。

ところが、大先輩の顔が目前だった清原は「抜く」動作をせず。
「このままではドッキリが成立しない」ーーーー

そのワードが浮かんだ清原がとった動作こそ、「わぁ、綺麗」と話さんばかりに花束を覗いた状況で巨大クラッカーを「抜く」、であった。

もちろん、番組の演出で花束を差し向けるのは フェイントだ。何度もいうが、番組の趣旨は 『ドッキリ』にすぎないからだ。安全性は数m離れた距離からの発射だった。しかし、リハーサル不足と彼自身の 「薬物」の影響からか、清原容疑者は 致命的な間違いを犯してしまった。

花束に目をやった大先輩・和田に対し、清原は勢いあまって 巨大クラッカーを発射。その破片は、和田の顔、スレスレだったのである。


爆発音とともに煙が充満する噴水広場。和田は 演出どおりの「!」だったが すぐさまテレビ・カメラを意識、清原には「おいっ」といった問いかけをおこなう。

 

再び、和田の証言である。

「清は 責任感の強い奴で、スタッフの言われたとおりに やった。
でも、清は こういうのね、慣れてないんです。この 話があった時から、すごく緊張していたらしいんですけど」

「当たっていたら 私、この場には いません。この世界、辞めることに なっていたと思います」


和田はTBSの生放送に出演。そして告白している。清原との「絶縁」を。

 

「キヨは2〜3年前、ピアスを入れ始めたんですよ。わたし、『おまえ、何しとんねん!』って注意しました。そこから会わないようにしてるんですけでね。
キヨは そうみえないかもしれないですけどね、ホンマ、気の弱い奴なんですよ。ピアス、入れたのも その 裏返し。気、弱いから 強くみせようとするのだと思います。
『強くみせる必要なんか ない』って 思うじゃないですか?ねえ、あの『清原』ですよ」(12年秋)


和田を引退寸前へ追い込んだ番長はいかに第二の番長=「人の役に立つ人間」とリリーフするのか。

しかしながら、である。


あやうく 業務上過失致傷の容疑者と なる惨事寸前だった 清原。『番長』の名が廃ろう。